東京支部見学会報告
洛友会会報 201号


東京支部見学会報告

 降雪予報が出るほどの小寒い天候の中、平成15年3月6日(木)に、46名の参加者による東京支部見学会を実施しました。今回はゲノム研究の最前線の見学を目的として理化学研究所横浜研究所ゲノム科学総合研究センター(URL:http://www.gsc.riken.go.jp/indexJ.html)を訪問しました。ゲノム科学総合研究センターでは、DNAやタンパク質等の生体構成分子の研究施設や研究成果を見学させていただきました。短時間の訪問でしたが、最先端研究見学の貴重な機会を提供いただいた理化学研究所の皆様には御礼申し上げます。
 当日は、朝8時45分に東京駅の新丸の内ビルディング前に集合し、総勢46名がバスに乗車して9時5分に出発しました。横浜の赤レンガ倉庫や大桟橋を経由して神奈川県立歴史博物館に到着しました。65歳以上が入館料無料のため入館料はほとんど払わずに済みました。ボランティアの説明員5名の方に神奈川県の石器時代から現代までの歴史を詳細に解説いただき、約1時間の滞在時間もアッという間に過ぎてしまいました。昼食を中華街の中華料理店「翠華」で済ませた後、見学先の理化学研究所に向かいました。
 13時30分頃に理化学研究所横浜研究所に到着し、まず研究所の概要をお伺いしました。理化学研究所は、文部科学省所管の特殊法人(独立行政法人へ移行予定)として、物理学、工学、化学、生物学、医学などの分野で幅広い研究をされており、その国内研究拠点の一つである横浜研究所は、ゲノム科学総合研究センター、植物科学研究センター、遺伝子多型研究センター、免疫・アレルギー研究センターの4センターで構成されています。
 今回訪問したゲノム科学総合研究センターでは遺伝子、ゲノム、タンパク質の構造と機能に関する研究を行っており、2班に分かれて南研究棟とNMR(核磁気共鳴装置)棟を見学させていただきました。ゲノムのサイズは人体を東京から九州までの長さとした場合に1円玉のサイズであるとの話が印象的でした。
 南研究棟ではDNAの保存、抽出、培養などの設備やDNA構造(塩基配列)を高速に解析するシステムなどを見学し、DNA鑑定の方法などを交えて分かりやすく説明いただきました。またNMR棟では、タンパク質の構造解析のための大規模なNMR装置を2種見学しました。タンパク質の基本構造約1万種を国際協力で解明する計画のうち理化学研究所では約3千種解析していくとのこと。
 その後ズーラシア動物園を訪問予定でしたが、予定時間も大幅に過ぎ小雨もパラつく天候のため、そのままバスに乗車し、16時過ぎに横浜駅で、17時過ぎに東京丸の内側で解散しました。

    沢辺 学(昭57年卒)記

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