インターネット雑感
洛友会会報 202号


インターネット雑感

安藤正敏(昭53年卒)

 プライベートなことで恐縮ではありますが、私、昨年末にマンションを購入しました。購入したマンションは、ブロードバンド(BB)対応で、壁にはTV端子、電話端子と並んでLAN用の接続端子が設置されており、PCをLANケーブルで接続するだけで快適なBB環境を享受することができます。
 我が家でPCを購入したのは平成3年頃、インターネットを利用しだしたのは平成7年頃ですが、それ以来、常に、ダイヤルアップ接続で、インターネット使用中は電話が使えないという状況でした。このため、近い内にADSLかCATVでBB環境を整備しようと思っていた時期に丁度、マンション購入となったものです。
 実際、BBを使ってみると、それまでの環境と違って、画面の展開が速く、待つこともなく快適で、便利です。
 今では、妻も娘も友達との情報交換にメールを活用し、また、列車の時刻表などのちょっとした情報や趣味の世界のディープな情報もネットで収集しており、1台しかないPCを家族で奪いあっています。少し前までは、PCでのゲームしかしていなかったものが、快適な環境が提供された途端、各人それぞれが自分の求める様々な情報を集めるようになりました。
 私は、もっぱらネット麻雀を楽しんでおります。電話回線を専有してしまうダイヤルアップ接続では考えられなかったことですが、始めてしまうとアッという間に1時間2時間が過ぎてしまいます。ネット麻雀は初めてですが、不特定多数の方々と麻雀をするのは、予想外に面白いです。中には行儀の悪い人も居ますがほとんどの人は最初に挨拶をするなど思いのほか礼儀正しいのにびっくりしています。
 また、ネットショッピングもお値段が安いということで魅力的ではありますが、今のところ、品質面や品物の経歴が判らないなど様々な要素を考慮すると、今一踏み込めていません。臆病な私に比べ、我が家の大蔵大臣はあまり考えていないのか、熟慮の上の判断か、ネットショッピングを何度か使ってみた様です。ただ、クリックだけで品物をどんどん購入できるのが恐くなったらしく、また、商品の説明がTVショッピングの方が判りやすいとの理由もあり、少し前からTVショッピングに宗旨替えしたようです。(どちらでもいいけれど、衝動買い・買い過ぎに注意!)
 インターネットでは情報が氾濫していますが、昨今話題の掲示板サイト「2ちゃんねる」でも様々な情報が飛び交っています。情報の真偽については、自分が責任を持って判断しなければいけないものですが、「2ちゃんねる」を読んでいると本当に色々な意見があるものだなと感心しています。ただし、その意見は、全般的に世の中を斜めに見た視点からの意見が多く、世の中を真っ直ぐに見つめる視点でできている掲示板が見つかり難いのも事実です。意見というよりも雑多な情報のるつぼという雰囲気です。そのるつぼを使ってどう考えるかは別の場所でということなのでしょう。
 話は変わりますが、先日、お盆の墓参りで帰郷した祭、一人暮らしの叔母が、世の中の動きはTVのニュースで判るので、最近は新聞を取っていないと言っていましたが、最新のニュースやイベント情報など自分が欲しい情報を欲しい時にネットでピックアップできるようになった現状では、新聞もあまり要らなくなったと考えている人も居るのではないでしょうか。しかし、活字・紙文化にどっぷり浸かってきた私にとっては、顔を下げて考える姿勢、活字の色・形・大きさ、文字との距離など、長年、慣れ親しんできた思考形態を変え、ペーパーレス化に順応するのは難しいなあと思っております。情報収集はネットから、その活用・分析は紙を使ってというのが、私には適していると思っています。
 いずれにしても、私にとっては、現在のPCの世界は、私が始めてプライベートでPCを購入した平成3年頃には想像もつかなかったものであり、今更ながらに技術の進歩と新しい環境を吸収する人間の能力はすごいものだと感心しています。これからの10年後に、どのような新しい世界を見ることができるのかという楽しみと、それについていけるのかどうかという不安とがない交ぜになった気持を持って、これからの10年を過ごしていきたいと思います。

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