白銀の峰々と迫力の氷河、
 そして麓に広がる牧草地
 ─スイス(T)
洛友会会報 203号


白銀の峰々と迫力の氷河、そして麓に広がる牧草地─スイス(T)

1998・8・30〜9・8
柴田研司(平4年卒)

 「先に行くよ!(怒)」
時計の針は朝の4時─少しぐらい起こしても目を覚まさない妻に、私の声はかなり苛立っている。「どこへ?」寝ぼけ眼のままの妻に答えた。…「スイス!!」
 8月30日、スイス航空SRー163便(12時10分関空発)にガイドブック片手に乗り込んだ。10日間のスイス旅行の始まりだ。私たちを乗せた飛行機は、12時間弱のフライトでスイスのチューリッヒ・クローテン国際空港に滑り降りた。時差は、サマータイムのためマイナス7時間。現地時間で午後6時前、1泊目のホテル『ホテルルネッサンスチューリッヒ』に到着。心踊る第1日目、目に飛び込んでくる異国の風景に気分は高まるばかりだった。
 2日目(8月31日)バスに乗り込み、チューリッヒ市街からアウトバーンにてリヒテンシュタインヘ入国。160?のミニ国家である。侯爵の居城ファドウーツ城を見上げながら、メインストリートを歩く。美しい切手で有名な国、「ぜひ切手を買いたい」と郵便局へ向かう。風景画が描かれた芸術品のような切手が並んでいる。その後、メインストリートで面白い店を発見し、迷わず入る。なんと、自分の肖像画(写真をコンピュータ処理)を切手シートに仕上げてくれるのだ。世界に1枚の最高の記念品だ。
 バスは国境を越えスイス、マイエンフェルトヘ。幼いころ読んだ「アルプスの少女ハイジ」の舞台となった村だ。小高い峰々が見下ろす緑の牧草地は、私達のイメージをうらぎらない。おまけに空は快晴、どこまでも青く高い。スイスの景色を眺めながら、ユリア峠を越え高級保養地サンモリッツヘ向かう。昼食に食べたポークシュニッツェルはとてもおいしかった。
 サンモリッツ・ドルフの市街地は、まるで宮崎駿の「魔女の宅急便」を思わせるような石畳の素敵な街並みだ。私達は、ケーブルカーに乗り、ピッツナイル(3,030m)に登ることにした。青い大空に抱かれるように白い雲は泳いでいる。手が届きそうな、だけど逢か遠くの3,OOOm級の峰々がくっきり見える。とてつもない静寂に包まれ、その雄大な景色に見とれることしばし・・帰りは、ケーブルカーを途中で降り、少し歩くことにした。
市街地散策、憧れのMICHEL JORDIの時計を購入。スイスワインを買って『ホテルアルバナ』に戻る。
 3日目(9月1日)今日はいよいよ『氷河特急』に乗る!ファーストクラスのパノラマカーでアンデルマットまで行く。ガラス窓いっぱいに広がる景色(牧草地に高峰、豊かな流れの川や花いっぱいに飾られた家)を眺めながら心地良い揺れに体をまかせる。約1時間後、有名なランドバッサー橋を通過。シャッターチャンス!乗車記念の傾いたワイングラスも買い、食堂車でランチを食べる。アンデルマットからバスでフルカ峠を越え、ローヌ氷河へ。くりぬかれた氷河の中は、神秘的なブルーのトンネル。その後、バスでテッシュまで行き電車に乗り換えツエルマットへ。
 ツエルマットはガソリン車の乗り入れを禁止しているので、馬車と電気自動車が走っている。澄んだ空気と花で飾られたかわいい建物が印象的なリゾート地。メインストリート沿いの『セイラーホテルシュヴァイツァーホーフ』に2泊の予定だ。
 4日目(9月2日)早起きをして、朝焼けのマッターホルンを見に行く。夜明けと共に姿を見せるその姿は、とても素晴らしい!!
 朝食後、サンドイッチを作りハイキングに備える。登山列車で名峰マッターホルン(4,478m)、を望むゴルナーグラート展望台(3,130m)へ登る。登山鉄道で行ける展望台としては、スイスで2番目に高い。だんだんと大きくなるマッターホルンの雄姿に見とれること約40分で到着。スイス最高峰のモンテローザ(4,634m)、リスカム、ブライトホルン、クラインマッターホルン・・・とにかく眺めは素晴らしい。感動的な氷河の流れ・・・ゴルナー氷河、テオドール氷河など。
 帰りは予定通り一つ下のローテーンボーデン駅で列車を降り、逆さマッターホルンの写るリッフェル湖にてサンドイッチをほおばる。その後ハイキングを楽しみ、次の駅リッフェルベルクから列車に乗り、ツエルマットヘ戻る。一息ついて今度は、クラインマッターホルン(3,883m)に登る。ヨーロッパで一般観光客が到達できる最高地点である。吹雪いていてとても寒く、温度差に驚かされる。かすかにモンブランも見ることができた。

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