アメリカ雑感
洛友会会報 206号


アメリカ雑感

小嶋唯司(昭54年卒)

 15年以上前になるが、電力会社に入社後はじめてアメリカに研修のため5ヶ月ほど滞在した。こんなに長く外国に行ったことは初めてだったので、今でもいろいろと鮮烈な記憶がのこっている。今後行かれる方のご参考にでもなればと思い、雑多な話をすこし。

(滞在場所)
 5ヶ月というのは中途半端な長さで、ホテル住まいするのには費用がかかりすぎ、一人でアパートを借りるのは、光熱費や電話代等の支払いが面倒、ということで学生のようにホームステイすることとした。最初に泊めていただいたのはアメリカの語学学校から紹介された家庭。黒人街の真ん中で、最初タクシーで家に行くときにインド系の運転手から「あんたなんでそんなとこ行くんや。この前も近くでタクシーの運転手が殺されたんやで。わしほんとは行きたくないんやけど」と言われ顔が真っ青、胃が痛くなった。命あっての物種、こんなところに泊まるのであればすぐに日本に帰ろうと渡米2日目に思った。結果、泊めていただいた家族の方々はいい人だったので1ヶ月は我慢し、その後伝を頼って安全な地域の別の家庭にお願いすることとした。外国にいて安全は第一、宿泊先は慎重に選ぶ必要がある。このためには伝をたよったり、現地にいる方の助けを借りるなど十分情報を得てから決めることが大切。

(乗り物)
 ワシントンD.C.を拠点にしていたのだが、ニューヨークと違って地下鉄は綺麗で安全だった。しかしバスに乗るのは一苦労。日本でも同じだがはじめての地では路線が良くわからない。また乗っても車内放送はないし、どこを走っているのかわからない。停留所にも地名を書いていない。ということで目を皿のようにして外の景色を見る必要がある。明るいうちはいいが、暗くなったら乗り越さないよう要注意。

(車)
 アメリカでは移動に車を良く使う。研修のために各地の電力会社を訪問するときにもレンタカーをよく使った。皆さんの想像どおりアメリカ車は日本車と比べて作りが良くない。何回か借りた中で、まだ新しいのにドアロックが動かなくなった、ワイパーのゴムがとれた等々いろいろな故障があった。またレンタカーなのに保険(のようなもの)が切れていて、警察に止められ切符を切られること1回。レンタカーといえども点検をお忘れなく。自分の身は自分で守るのが基本。

(電気)
 アメリカの電気の信頼度は日本の10倍以上悪い。だから停電も多いし、なかなか復旧しない。一度、竜巻のような嵐がきていたるところの木が倒壊し、ホームステイ先が停電となった。日本の感覚だと長くても数時間で復旧すると思っていたら、一日たっても復旧しない。ちょうど初夏で気温も高かったのだが、そのうち電力会社が冷蔵庫のために氷を配りだした。そんなことをやるぐらいなら早く復旧しろと思ったが、結局復旧までに2日半かかった。こんなことはそんなに珍しいことではないそうで、向こうの方は平然としていた。手前味噌ですが日本の供給信頼度の高さを実感。

(人)
 ある程度の期間を外国で滞在するとなると、いろいろと人付き合いがある。郵便局や銀行に行って係員と話す機会があるが、彼らの愛想の悪さは相当なものである。客を客と思っていない節がある。また、ホテルの予約でも黙っていれば、一番高い部屋を紹介されたりする。こちらからもっと安いのはないか、割引はないのかと言わないと、安い部屋を紹介してくれないことも多々あった。自己主張の国であるからこちらも常に自己主張で対応。

(さいごに)
 日本も相当欧米化されているが、人種の違いは明らかであり、そこからくる物の考え方は今後も同じになることはないだろう。これを承知の上で対応すれば、人付き合いにおいて苦労もそう感じないですむかもしれない。また反対に日本人にはない感覚が新鮮に見えたりする。若い方には機会があれば外国でカルチャーショックを受けることをぜひお勧めする。視野が広まること間違いなし。

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