巻頭言
洛友会会報 212号


洛友会ルネッサンス  関西支部の取組み

関西支部長 
森本浩志(昭和40年卒)

(1)はじめに
 「改革なくして成長なし」年を重ねるごとに月日の経つスピードが早く感じられますが、昨今の社会情勢の変化は、それを上回るものであります。
 私の勤務先でも「変わらぬ使命のため変わり続ける関西電力」のキャッチコピーで改革に取り組んでいますが、洛友会でも、本部は勿論、各支部で改革が必要との問題意識を持っているところであり、昨年から、洛友会改革WGを設置し、さまざまな検討が進められています。
 この状況と関西支部の取組みの一端を記します。


(2)改革の背景
[大学]
 平成16年からの国公立大学の独立行政法人化により、学校経営の視点が重要となり、同窓会は学外との貴重な接点として、従来にも増して連携が必要になってきています。また、電気系教室も学際化の流れにあり、桂キャンパスへの移転は変革の契機でもあります。
[企業]
 企業経営は各ステークホルダーの中で、特に、株主、お客さまの価値創造を重視してきており、CSR(企業の社会的責任)、コンプライアンスそして透明性、公平性といった経営が求められています。このため、福利厚生行事あるいは社内での同窓が集う会合などは縮小、廃止の流れにあり、同窓会への広告費も支出することが困難になっています。
[個人]
 企業の動きにあわせ、グループとしての活動が少なくなり、同窓会への参画意識が薄れ、会費の収入減へとつながっています。
 また、ITの進化と共に、個人情報の取扱いが難しくなってきています。
 このような背景のもと、従来、支部長会社が家族見学会や会員名簿への広告募集など活動の大半を実施してきましたが、もはや組織として実施することは困難になっており、支部長の選任も難しくなっています。

(3)大学への回帰
 洛友会の運営は、これまで大きな見直しもなく、企業主導による活動を継続してきましたが、社会全体の変化の中で、今後は、教室内に設けた専任体制とするとともに、活動内容については、学外に意見を求め、見直しをするなど、教室が主体となった体制への移行が活性化につながると考えます。
(活動見直しの例)
・学校内(時計台等)での講演会、懇親会など大学と連携した活動
・家族見学会については存続する場合でも参加者の費用負担を原則とする方向での検討が必要。また運営にあたっても、OBのボランティア参加など幹事負担の軽減をはかることも必要。
・平成17年度の関西支部家族見学会は、関西の利点を生かし大学との連携を取り入れ、午前は保津川下り、昼食懇親会のあと午後は京大桂キャンパス施設見学と長尾眞会長のご講演「情報と日常生活」という催しとし、会員相互ならびに会員と大学の交流がはかれました。

(4)個人情報の管理
 会員名簿の発行は広告の取止めにより財政上厳しい状況にあるものの、必要であり、電子化し発行する方向ですが、個人情報の管理が必要です。
 平成17年4月の個人情報保護法の施行により、一層関心が高まっている中、個人情報の流出が新聞で頻繁に目にするようになっています。特に最近では意図的に第三者に提供するということではなく、インターネット上で、ウィニーというファイル共有ソフトウェアを介したウィルス感染により、知らない間に情報が流出するケースが目立ってきており、社会問題化してきています。
 関西支部では、名簿に掲載している住所や勤務先といった個人情報の取扱いについて、どのように対処すべきか独自に調査し、改革WGに提言しました。
 同窓会については、個人情報を事業の用に供しているわけではなく、保護法の対象外となっているものの、6千名もの会員情報をお預かりしている以上、法律に準じて適正に取扱うことが望ましいのは当然です。
 例えば、名簿の冒頭ならびにホームページ、洛友会報などに名簿の利用目的の周知や、情報掲載を拒否する場合の連絡先を記載し拒否の機会を提供するなど、今後十分に配慮し、皆様に安心して利用頂ければと思っています。

(5)おわりに
 昭和27年11月、洛友会が発足しましたが、その折、初代会長鳥養利三郎先生のご挨拶には「人と人とのつながりは大切、そして有難い。まして同学同門の交わりは、偶然の運命的なものであるにしろ、我々をどれだけ力づけるか言を要しない。卒業生すべてを打って一丸とし、親愛のルツボに溶かし込むことに努めよ」とあります。時代が無機質化しつつある現代にこそ同窓会の役割が生きてくると思います。
 長尾会長の改革にかける強い思いのもと、洛友会が活性化し、発展することを祈って止みません。

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