教室だより(1)
洛友会会報 215号


電気系教室懇話会報告

 平成18年度の電気系懇話会が11月17日(金)に吉田キャンパスにて開催されました。昨年は桂キャンパスでの開催でしたが、学部教育や情報学研究科に属する研究室が吉田キャンパスにあり、今後は吉田キャンパスと桂キャンパスで交互に開催するという考えから、今年は吉田キャンパスでの開催となりました。また、昨年から洛友会との共催という形をとっていますが、これまでのように企業単位で卒業生に連絡する縦のつながりに加えて、今年からは横のつながりとして、洛友会年度代表者にも各学年の卒業生への連絡を電子メールにてお願いすることになりました。また、今回はIEEE関西支部との共催という形での開催になりました。当日はやや冷え込みましたが、紅葉がさかりの中、晴天にもめぐまれ、例年より多い170名近くもの卒業生・教職員・院生・学部生にご参加いただきました。
 第一部の講演会は電気総合館大講義室で行われ、電子工学専攻の北野正雄教授が司会を務められました。ご講演に先立って、電気電子工学科学科長の佐藤亨教授からご挨拶がありました。
 最初のご講演は、山田公先生(京都大学名誉教授)による「ナノテク加工技術、−クラスターイオンビーム、その後−」でした。20世紀初頭にイオンビームの発生が確認されて以来、イオン注入装置、クラスタイオンビームと基礎研究が進んできたことを説明されました。また、クラスタイオンビームの基礎研究から生まれた超低エネルギーの表面加工技術の実用化に関連して、日本では基礎研究に関してなかなか協力が得られず、ボストンにある企業の協力ではじめて実現した等、現在ではナノテク加工技術として産官学の連携プロジェクトを推進されていますが、そこに至るまでの平坦ではない歴史について興味深いお話を紹介していただきました。小さな芽を長い期間で育てることが重要であるとおっしゃっていたことが印象的でした。
 2番目のご講演は、平田康夫氏(鰍jDDI研究所 会長)による「進化を続ける情報通信」でした。最初に130年の国際通信伝送の歴史を示され、海底電信線(有線)、無線電信(無線)、海底同軸ケーブル(有線)、衛星通信(無線)、光海底ケーブル(有線)とこれまで有線と無線の技術が互いに競り合って進化してきた様子を紹介されました。また、このような過去の歴史を背景に実現された、現在の膨大な通信路に対して、さらに進化するケータイやインターネットの将来像について、過去から未来への流れを生き生きと語っていただきました。特に位置情報のログを残すお話や、ロングテール現象の利用などの具体例を元にした「情報通信ではまだまだいっぱいやることがある」という学生さんへのメッセージは、学生さんにとって大きな刺激になったようです。
 休憩をはさんで3番目のご講演は、藤洋作氏(関西電力 相談役取締役)による「最新のエネルギー事情と関西電力の取り組み」でした。人類の生存には欠かすことのできないエネルギーの問題について、環境問題と関連付け、多くのデータに基づいてわかりやすく説明していただきました。特に、「エネルギーを作ることの難しさ」を考えさせる事柄として、戦時中に松根油という松の根からつくる油で航空機の燃料を作ることが考えられた例を紹介されました。また、原子力はある意味で国産のエネルギーであるという視点や、エネルギーの将来像に関する「新・国家エネルギー戦略」のお話は、エネルギーセキュリティや環境問題を考える上で多くの示唆を与えるものであると感じました。
 第二部懇親会は、午後5時30分より生協吉田食堂において開催されました。司会は電気工学専攻長の和田修己教授が務められました。懇親会の冒頭、木村磐根名誉教授から、洛友会との連携に関してお話を頂きました。ご参加いただいた名誉教授の先生の中で西川示韋一名誉教授に乾杯の音頭をとっていただき、その後は講師の先生方、名誉教授の先生方、卒業生、教職員、院生・学部生が懇親を深めました。途中、東松孝臣氏(大阪工大摂南大学総長)よりスピーチがあり、12月で800回を迎える紫翠会のお話をしていただきました。懇親会の最後は、電子工学専攻長の北野正雄教授のご挨拶で締めくくり、午後7時00分にお開きとなりました。
 最後になりましたが、ご講演を快くお引き受けいただいた講師の先生方をはじめ、遠方よりご参加いただきました卒業生の皆様、ご参加くださった教職員、院生・学部生の皆様に厚く御礼申し上げます。また、共催となりました洛友会には、卒業生への連絡等多大なサポートをいただきました。これからも卒業生、教職員、院生・学部生の交流の機会として懇話会を利用していただけたら、と思いました。

  久門尚史(平5年卒) 記


 

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