会員寄稿(3)
洛友会会報 220号


洛友会東京支部 役員を務めて

水本 政宏(昭63年卒・東京支部)

 私は現在、洛友会東京支部の総務幹事を務めている。支部の会務全般の処理を任とする役員である。洛友会会員にあって、同窓会の役員とはどんなものかご存じない方も多かろう。実際、私がそうであった。
 東京支部は、全国にある洛友会支部の一つで、関東地区に住まいを持つ京都大学電気系教室出身者を主会員とする。東京支部には、支部長、副支部長、総務幹事、会計幹事、庶務幹事、監事の6名の役員がおり、任期を1年としてそれぞれの会務に当たっている。現在は、昭和41年卒の代が支部長(向井支部長)、昭和42年卒が副支部長(間宮副支部長)、昭和43年卒が監事(松田監事)を担当している。総務幹事は昭和63年卒、会計幹事は平成元年卒(菅谷会計幹事)が当たっている。庶務幹事は平成16年に誕生した役員であり、総務幹事の同期(三木庶務幹事)が担当することが多い。
 東京支部会則にもあるのだが、副支部長は翌期の支部長に、会計幹事は総務幹事に就任することが推奨されており、これまでもほぼ例外なくこれに従ってきた。監事が副支部長に就くことも慣例化しつつあり、来期もその予定である。だが、他の3役員、特に会計幹事については、その内定まで時間を要することが多い。
 2年前もそうであった。同窓会というものに全く関与してこなかった私にいきなり会計幹事就任の打診が届いた時には、「まさか、何で?」と面食らった。ただでさえ、入社後16年で多忙を極めているというのに、新たに重責を背負い込むなんてとても考えられなかった。最初は断ったが、当時の役員からの度重なる説得に最後は就任を決断した。最初の打診からひと月以上も経っていた。
 会計幹事の仕事は、総務幹事を補佐し会計事務を処理することにある。ほとんどの支部活動は総務幹事がこなすことから、翌年に備えてそれらの仕事内容を覚え、支部活動を理解すること。これが何より重要である。会計事務としては、口座開設と同時にあらゆる金銭のフローを管理し、総会に向けて決算報告と翌期の予算計画を策定する。
 しかし何と言っても、会計幹事のメーンイベントは、実質的な初仕事となる「旅行・見学会」の幹事である。東京支部では伝統として、副支部長と会計幹事が担当することになっている。私の場合、ここで初めて、同窓会役員の大変さを身を以って知った。二千名近くの支部会員への案内送付、観光バスの調達、昼食会場や観光スポットのアレンジ。しかも送った案内は宛先不明で大量に返送されてくる始末。どれもこれも未経験のことばかりだ。これらを仕事の合間に行うのである。しかし、参加された50名程の大先輩が旅行・見学会を毎年楽しみにし、このときも本当に堪能されているのを目の当たりにして、解散時には安堵の気持ちだけでなく大きな充実感を覚えた。私はこの瞬間に名実ともに東京支部役員になれたのだと思う。そして総務幹事になる覚悟とともに自信も生まれた。このことは現会計幹事も同様に感じたと確信している。
 総務幹事は会務全般を処理する。年間行事としては、役員会、幹事会、総会の一連の会議、秋の講演会、若手幹事会、若手勉強会、そして先の旅行・見学会がある。若手勉強会は平成19年に始まった若手支部会員(東京支部では支部長以下の年代を「若手」と呼ぶ。)を対象とした勉強会であり、これは若手勉強会幹事が主宰する。旅行・見学会は先の通りであり、これら以外は全て総務幹事が支部長を始めとする役員との相談の上、切り盛りすることになる。昨年秋には「秋の講演会」を成功裏に終えることができた。年明けには若手幹事会で今後の活動につながる積極的な議論もできた。
 これまでも一つ一つの行事を綱渡りでこなしてきたが、いよいよ総務幹事として最後の大仕事、総会を迎えることになる。諸々の準備で最も神経を使い、労力を要することになるだろうが、気持ちは充実している。ぜひ成功させて、来期へとつなげたい。
 最後に、この2年間、洛友会東京支部の役員を務めさせていただき、大きな財産を得られたと本当に感謝している。当初はあれほど固辞した会計幹事就任であるが、受諾してよかったと今になって思う。確かに会社だけでなく家族にも大きな負担をかけ、さまざまな重圧の中で会務をこなしてきたのが実態だが、それと引き換えにすばらしい交流を得た。普通であれば到底面識を持つことのできない一流企業の経営者や著名な先生方と個人的なやり取りをさせていただいたり、総会や講演会後の懇親会等で大先輩とたくさんの会話をさせていただいたりした。そして何より、同じ釜の飯を食った前期と今期の東京支部役員のみなさんとは深いつながりができたと思う。これらを大事な財産として、今後も歩んでいきたい。ありがとうございました。


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