会員寄稿(3)
洛友会会報 221号


最近の海外情勢とIERE

麻島 健(平3年卒・関西支部)

 私は現在、IERE(電力研究国際協力機構)で働いています。IEREは、1968年に電気事業のR&D戦略に関する国際的な情報交換の目的で、日本が設立した国際機関です。IEREの最近の活動の一環で、国際会議運営に加えて、発展途上国への技術移転、先進国/途上国の人材育成等に伴う海外出張した際の、最近の海外情勢をご紹介します。
 昨年9月末に、アフリカ南部のザンビアのビクトリア・フォールズ(世界の三大瀑布)で、国際会議を開催しました。テーマは電化でした。アフリカは、国土は中国・欧州・米国を合わせたぐらい広大で、平均電化率は30%以下です。貧困・エイズ対策と共に、電化は重要な課題でした。途上国の事情として、シングル・ワイヤーで配電線を設置している箇所があり、IEREでも技術者の人材育成・教育の協力をすることとなりました。


 また、東南アジア等でも技術移転の活動を開始しました。タイ等では、国の発展に伴い電力設備は導入するものの、電力の技術力ではメーカーに依存しているようでした。例えば、事故・障害が起こっても、真の原因追求や対策がとられにくい現状のようです。
 成長の大きいブラジル(B)、ロシア(R)、インド(I)、中国(C)は、BRICsと呼ばれています。その中で、インドは公用語が英語であり、高等教育を受けられる人数は日本以上です。中国は電力需要の伸びが大きく、かつ国内産の石炭で発電をしているため、CO2排出が増大しています。中国の最近の電力需要の伸びは、年間1億kW(東京電力+関西電力規模)という莫大なものです。IEREとしてもインド・中国と協力を進める予定です。
 最後に、欧州ではEUの規制等で2050年50%前後のCO2削減に向けて、技術開発や実証プロジェクトを進めています。アメリカ全体でも、新大統領候補含めやっとCO2削減に関心を持ち始めました。北極海等の激減による白熊の危機は、よく引用されています。日本の最先端の省エネ等が海外で導入されるとともに、日本も、海外で盛んなCO2回収型化石燃料発電のプロジェクト等の技術開発に遅れないことを願う次第です。



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