教室だより(2)
洛友会会報 227号


電気系懇話会報告


  11月13日(金)、平成21年度の懇話会が例年通り吉田キャンパス電気総合館大講義室において開催されました。第一部は、北野電気電子学科長の開会の挨拶に続き、松重電子工学専攻長及び雨宮電気工学専攻長の司会で3名の方の講演が14時から17時30分まで行われました。講演会には名誉教授の木村磐根先生を始め、卒業生、在学生、そして教職員等、昨年度を超える160名以上の多くの出席があった。
 講演の最初は、英保 茂名誉教授(昭和39年卒:現京都情報大学院大学教授)に「医療画像計測と診断情報の抽出--画像データから高次元情報計測への挑戦と問題点」という題でご講演頂いた。先生の長年の研究テーマである医療分野での画像計測とそこから抽出される情報について、最近の進展も含め詳しくお話を伺った。
 続いて、安田 豊様 (昭和48年卒、KDDI株式会社 技術統括本部長)より「ケータイとブロードバンドの融合に向けて」という題目で、時代を先導し、また変化の激しいケイタイやブロードバンドの世界を企業での研究開発責任者としての取組みを紹介された。最近の太平洋を駆け巡る大容量の光ケーブルのインフラ整備により、更にインターネット環境が格段に充実するとの今後の展開に?がる事、また最後には、ご郷里の和歌山にゆかりの深い南方熊楠の生き方が現在の世界にも示唆を与えるとの興味あるお話もあった。
 講演の部の締めくくりには、安本 吉雄様(昭和49年卒、パナソニック株式会社 本社R&D部門技監)より「情報家電とホームネットワーク」という題でお話を頂いた。話の内容は、情報家電の歴史と現状、パナソニックグループの概要、情報家電の技術戦略、ホームネットワークの過去・現在・未来と多岐にわたるものであった。家電のデジタル化がもたらした激しい生存競争環境の中でアクティブに展開される企業の研究開発活動のお話、省エネに向けての情報家電の役割やHome Energy Management Systemsからスマートグリッドへの展開のお話など、興味深いトピックにあふれたものであった。
 ふだんの大学の講義では聞き得ないような、企業現場の生のお話、国境を越えて展開する研究開発やビジネスのお話など、とりわけ学生にとっては、参考になりかつ刺激になったであろう。
 講演の部のあと、場所を吉田(旧教養部)生協食堂1階に移して、第二部として懇親会が開かれた。懇親会も175名という多数の参加者を得て大変盛会であった。会場のそこかしこに、名誉教授の先生方、卒業生、教職員、学生の垣根を越えた歓談の輪が広がり、なごやかな雰囲気の中、あっと言う間に終了時刻の19時半になってしまった。

 

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